琵琶湖の鮒ずし日記

琵琶湖の鮒寿司を手作りする鮒味の日記です

第一回 近江の野菜 漬物アイデアコンテスト「わたしのオリジナルレシピ」部門「日野菜の飯漬け」で最優秀賞を受賞!

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2017年3月11日(土)にイオンモール草津店にて行われた滋賀県滋賀県米消費拡大推進連絡協議会主宰『第一回 近江の野菜 漬物アイデアコンテスト「わたしのオリジナルレシピ」部門』に、鮒味の店主・大川吉洋が「日野菜の飯(いい)漬け」でエントリーし、1位の最優秀賞を受賞したことを報告致します。

 

 

このブログの執筆者であるウェブ・広報担当の山田は、2013年夏から鮒味店主・大川と二人三脚で営業してきましたが、ひとつの結果を出すことができました。いや~、めでたいめでたい。

 

今年初めて開催された『漬物アイデアコンテスト』とは、滋賀県の野菜を親しんでもらうために、県が実施するイベントで、応募先はe-radioエフエム滋賀)でした。昨年11月初めに滋賀県ツイッターアカウントで知り、応募を決めました。鮒味は2002年に全国推奨観光土産品審査「全国観光土産品連盟会長努力賞」を受賞してから、コンテストには全く応募していなかったこともあって、一発奮起した経緯があります。

 

近江の野菜とお漬物の魅力を発信!『滋賀のお漬物フォーラム』・『漬物アイデアコンテスト』を実施します!/滋賀県

 

さて、何で応募しようかと考えたところ、以前、ツイッターにて「鮒寿司のご飯で豚肉を漬け込んだら美味しかった」という投稿を見つけ、とても興味を持っていたので、漬物に応用できそうだと考えました。しかし、鮒寿司のお米だけで漬け込むと、酸味と癖のある香りが立ちそうだったので、酒粕を使うことにしました。

 

昨年4月に銘酒「旭日」で有名な愛知川の藤居本家さんにお伺いしたときに、生もと造りの酒粕を頂きました。これで鮒寿司を漬け込み「甘露漬け」を造ったこともあったので、今回のお漬物造りでも、この生もと酒粕を使用致しました。

 

蔵元 藤居本家

 

滋賀県産の野菜は、鮒味がある竜王町の隣町「日野町」で有名な葉物野菜「日野菜」を使います。日野菜は滋賀県、京都のスーパーなどでもよく見かけます。秋〜冬に出荷されています。さて、気になるレシピは以下になります。

 

  • 料理名:日野菜の飯(いい)漬け
  • 作者:大川 吉洋
  • 材料:滋賀県産日野菜5本、鮒寿司の飯(発酵ご飯)2kg、塩(もみ込み用)、滋賀県産の生酒粕(硬い板状のものは日本酒または味醂でふやかしてください)1kg

 

作り方は以下になります。

  1. 日野菜を洗い、クッキングペーパーなどで水気をしっかりと取ります。塩もみをして、しなっとするまで置いておきます。水洗い後、クッキングペーパーで水気を取ります。
  2. 続いて、鮒寿司の飯100%に対し、生酒粕50%を混ぜます。硬い板状のものは、日本酒または味醂でふやかしてください。これらと日野菜を樽の中に1ヶ月ほど漬け込みます(平均温度は10度。冷蔵庫だと2ヶ月程度)。
  3. 重石をすると水気が出てきますが、そのまま放置しても大丈夫です。
  4. 漬けあがった日野菜を洗い、水気を取ります。薄くスライスして出来上がり。葉も美味しくお召し上がり頂けます。

作者より一言:鮒寿司の飯のみだと独特のにおいが強いため、酒粕を使用し、なんとも言えない芳醇な風味、甘み、コクを十分に引き出しました。近江米ご飯のお供、滋賀の地酒のおつまみにぴったりです。

 

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漬け込み時間はかかりますが、基本的に放っておくだけなので、作り方は簡単です。鮒味では所々で手を加え、美味しさに磨きをかけています。

 

ポイントとしては、おいしい酒粕、そして地産地消を意識した食材選びです。使用した酒粕、発酵ご飯(日本晴)、日野菜など、滋賀県産を使っています。

 

長くなりましたが、このレシピで『第一回 近江の野菜 漬物アイデアコンテスト「わたしのオリジナルレシピ」部門』応募しました。この部門は個人での応募と書いてあったので、鮒味としてではなく、大川 吉洋の個人としてのエントリーです。もちろん、書類にはお店を営んでいることも書きました。その上で書類審査を通過し、見事、決勝戦に進みました。この時点で2組に絞られていたため、最優秀賞または優秀賞が決まりました。この時点で優勝でも準優勝でも満足だなと考えていました(笑)。

 

そして当日。私は記録とアドバイス役だったので、気軽なものです。しかし、店主からは緊張感が漂います。これはうまく話せそうにないなと思い、簡潔に、主語を忘れずに話しましょうよ、とアドバイス。一般人だからウケを狙わなくていいと(笑)。

 

会場に到着すると、規模はそこまで大きくないながらも、滋賀県産のお漬物の実食販売、平成28年産米の食味ランキングで最高ランクの特Aの評価を受けた近江米「みずかがみ」のPRが行われ、たくさんの人が詰めかけていました。滋賀に住みます芸人で近江米PR副隊長のファミリーレストランさん、滋賀県出身のお笑い芸人であるダイアンさん、滋賀県の三日月知事などがゲストで登場。この中で店主が話すのかと思うと、これは緊張するだろうな、話せないだろうなあ、優勝は無理だなと、さらに気楽な気分になっていました(笑)。

 

「近江の野菜 漬物アイデアコンテスト」決勝戦の審査員は3名。より魅力的だった方に札を挙げる形式です。滋賀県漬物協同組合理事長を務め、お漬物日本一決定戦全国大会グランプリ受賞「まぜちゃい菜」で有名な株式会社丸長食品の金井長光代表取締役滋賀県農政水産部長の高橋滝治郎さん、『style!』『Go!Go! Weekend』などでお馴染みのタレント・ラジオパーソナリティとして大活躍している井上麻子さん。

 

エントリーの2名は2分間のPRタイムを行った後、審査員が実食し、判定するという流れです。大川にはファミリーレストランしもばやしさん、お相手には「いらっしゃあせ〜」のはらださんが応援サポーターとして盛り上げてくれます。

 

先手はお相手の方で「かんぴょうと菜の花のビール漬け」。ビール、酢、塩、砂糖、赤唐辛子で漬け込んだそうです。漬け込み時間も短くて簡単で、アルコール分は飛んでいるので、お子様でも食べられるそうです。ビールを使うのがユニークで、聞いているだけで美味しそうでした。笑顔も素敵だし、トークもしっかりされていたので、私は大変不安に駆られました(笑)。

 

続いて大川の番です。お相手のトーク時点で顔が固まっており、見ている私としてはおっかなくて仕方ない(笑)。最初にファミリーレストランしもばやしさん「演歌歌手ですやん」と大川の服にツッコミを入れてくれたので、少し緊張は解けたように思いました。しかし、マイクがどんどん口から離れていき、最後はお腹の辺りまで下がっていて、アピールトークがお客さんに聞こえない事態が発生。すかさず、しもばやしさん「マイク!」とツッコミ入れてくださったのですが、結局下がったままでした。優勝の望みは途絶えたなと思いましたね……。

 

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そして審査員の実食です。私も試食して「芳香な香りとご飯や地酒に合う漬物だし、コンセプトもしっかりしているから、これはいける」と確信していたので、自信があったのは確か。トークで減点かなと(笑)。大川はタレントではないし、料理人なので、トーク下手で全く問題ないと思いますが、大川は料理に専念し、私がトークをした方がいいのではと思い直しました(笑)。

 

話が逸れましたが、いよいよ審査結果に移ります。審査員が一斉に札を挙げると……。なんと3名とも大川に入れてくださった! 本当にびっくりしました。大川の顔からもようやく笑みがこぼれ、達成感に包まれました。

 

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最優秀賞に選ばれた理由は以下だったようです。

  • 鮒寿司による動物性乳酸発酵を植物性乳酸菌のお漬物に上手く活かした
  • 酒粕を使うことによってマイルドな味わいで食べやすい
  • 鮒寿司が苦手な人でも絶対に食べられる
  • どうしても捨ててしまう鮒寿司のお米を上手に利用した
  • 今夜のお酒のおつまみにしたい
  • 滋賀県をアピールできるような食材を使ったレシピだった

嬉しいお言葉、ありがとうございました。

 

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そして表彰式を終え、帰路につきました。

 

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鮒味は緑豊かな滋賀県蒲生郡竜王町の橋本にお店を構えています。とても小さなお店で、店主の大川 吉洋が一人で仕込みから販売までを行っています。そのため、出来ることは限られていますが、より身近で、丁寧な接客を心がけているつもりです。

 

ブログ執筆者の山田はウェブ制作、メール関係、書類、SNS、広報、写真、営業、商品のアイデア出しなど多岐に渡ってサポートしていますが、業務提携のため、スタッフではありません。しかし、何でも話せる対等な立場で関わっています。また、なれ寿司文化のない東京出身ということもあり、関東の人たちに、ぜひ鮒寿司を知ってほしいと思っています。関東の人たちにもアピールできるような商品造りを提案しています。

 

「飯漬け」もそうですが、これからもより魅力的な商品を出していきたいと思います。なお、「日野菜の飯漬け」は商品化の許可を頂いたので、今年の冬にはリリースしたいと考えています。そして「飯漬け」シリーズも出していく予定です。これからも鮒味にご期待ください。

 

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